2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

吉高由里子の嬲られ姿を見るだけでも価値がある。ストーリーは……えっと…… 蜷川幸雄「蛇にピアス」

監督は演出家の蜷川幸雄。蜷川幸雄が監督、さらには映画初主演の吉高由里子が大胆なヌードを披露したことでも公開当時は話題になった作品。 目的もなく渋谷の街をふらついていた19歳のルイ(吉高由里子)は、地下のクラブで赤髪でピアスしまくり、タトゥーも…

かわいい映画、と思わせてキモさ全開。それでもめげないお婆ちゃんがとっても前向き! シルヴァン・ショメ「ベルヴィル・ランデブー」

身体を縮ませたり、伸ばしたり、誇張したりするのは、元来からのアニメーションの楽しみだ。この「ベルヴィル・ランデブー」も、実に戯画的に描かれた人物達によって物語が進む。 セリフがほとんど登場せず、色遣いや演出も丁寧で柔らかでありながら、どこか…

ボガードのサラっとした嘘が解き明かすハードボイルド・ミステリー。ローレン・バコールは秋元才加にマジでそっくり ハワード・ホークス「三つ数えろ」

レイモンド・チャンドラーの小説「大いなる眠り」をハワード・ホークスが映画化したハードボイルドの傑作。 1945年版と46年版があり、第2次世界大戦後に一年越しでわざわざ撮り直されているあたり、ホークスは46年版で完成としたようだ。 ニヒルな探偵の代名…

「アメリ」以上のイタズラ心が巨大組織をぶっ潰す。アイデアとユーモアに溢れた復讐劇がスカっとする  ジャン=ピエール・ジュネ「ミックマック」

「アメリ」の監督ジャン=ピエール・ジュネがいたずら=「ミックマック」心を突き詰めた、ジュネ版「スパイ大作戦」といった作品。 脳に弾丸を撃ちこまれ、生死の境をさまよっている間に職も住居もなくなってしまったひょろっとした男(ダニー・ブーン)が、…

これが日本映画だったら映画館へ足を運びたいのに……というささやかな良作(邦題はダメダメ) ジャレッド・ヘス「Mr.ゴールデン・ボール/史上最低の盗作ウォーズ」

ジャレッド・ヘスが監督すると、邦題はこうなる運命らしい。かつて「Napoleon Dynamite」が「バス男」というクソ邦題を付けられて大不評を買った経験も虚しく、原題「Gentlemen Broncos」が今回はこのようになった。両方を配給した21世紀FOXは本当に反省して…

レディー・ガガは21世紀究極の母親像を体現していると思う話、もしくは 「並行世界」なんてぶっ飛ばす「Born This Way」

「もし自分が人生で違う選択をしていたら……」と考えることがある。いわゆるこの世界とは別の「並行世界」があるとすれば、そちらの自分は、この自分とは全く違う生活をしているのではないか。 東浩紀「クォンタム・ファミリーズ」と、そのなかで言及された村…