ボガードのサラっとした嘘が解き明かすハードボイルド・ミステリー。ローレン・バコールは秋元才加にマジでそっくり ハワード・ホークス「三つ数えろ」


 レイモンド・チャンドラーの小説「大いなる眠り」をハワード・ホークスが映画化したハードボイルドの傑作。

 1945年版と46年版があり、第2次世界大戦後に一年越しでわざわざ撮り直されているあたり、ホークスは46年版で完成としたようだ。

 ニヒルな探偵の代名詞、フィリップ・マーロウハンフリー・ボガード)が、失踪した用心棒の捜索をある老将軍に頼まれるが、行方を探しているうちに、その家のワガママな2人姉妹も事件に絡んできて……。

 映画ではこの2人姉妹がとにかく曲者で、姉ヴィヴィアン(ローレン・バコール)の方は真面目そうだけど胡散臭いことばっか喋ってくるし、妹カルメン(マーサ・ヴィッカーズ)の方は酔っ払って「cute」を連発しながらマーロウの事務所に押しかけてくるし(これがマジで鬱陶しい)、ハードに生きるのも大変なご様子。

 しかしプロットは流石に良くできていて、観客がマーロウと共に段々と事件の全貌を理解していく構成はお見事。大体、プロットが込み入ってるように見えるのは、マーロウがスカした顔でカマかけまくっているからだと思う。ホントは全然情報がないクセに、全部知っているフリをして相手から会話を引き出そうとするもんだから、そこで観客が混乱するのもわかる。嘘つくのマジで上手いねアンタ!

 ところでこのローレン・バコール、どこかで見たことあるなーと思っていたら、今を時めくAKB48秋元才加さんそっくり。ツンとした表情なんか秋元さんのイメージともピッタリ重なる。なので、秋元さんは日本のローレン・バコールとしてもっと演技を勉強して、映画産業にガンガン絡むといい演者になるのではないだろうか(「伝染歌」での演技は微妙だったけど……)。

 ちなみに、ハンフリー・ボガードローレン・バコールは1945年版の撮影を終えたあと、25歳という年齢差を乗り越えて結婚している。秋元さん、どうせ同じおっさんなら、ボガードみたいなの狙いなよな、ボガードを!